あるnoteの個人投資家が、26年7月第1週の記事で「今週のS株投資」と「6月末時点の金融資産・年間予定配当金・保有銘柄と株数」を公開しました。数百円から株を買えるS株を使い、毎週コツコツ買い増して記録を残す——この地味な営みに、実は投資の本質が詰まっています。今日は個別の数字ではなく、この「月末棚卸し」文化そのものが読者にとってなぜ意味を持つのかを考えてみます。
S株という「小さな船」で航海を始める意味
S株(単元未満株)とは、通常100株単位で取引される日本株を1株から買える仕組みです。たとえるなら、いきなり大型客船に乗るのではなく、まず手漕ぎボートで湾内を回ってみるようなもの。値動きに一喜一憂せず、少額で市場の潮の流れを体感できるのが最大の利点です。
先日の記事で、私は個人投資家にとりさんの「月次成績公開文化」を取り上げました。あのときは損益の記録でしたが、今回のS株投資家が公開しているのは金融資産・保有銘柄・年間予定配当金という「保有のスナップショット」です。損益は市場が決めますが、保有内容と配当計画は自分で設計できる。つまり後者は、自分の航路をどう引いたかの記録なのです。
「予定配当金」を先に書く人は折れにくい
私が注目したのは、この投資家が「年間予定配当金」を毎月末に更新している点です。株価は日々変動しますが、配当は年に1〜2回、企業が方針を出さない限り変わりません。値動きという波の高さではなく、配当という「風の安定性」を羅針盤にしている——これは先日の配当太郎氏のゆうちょ銀行の記事で触れた視点と、きれいに重なります。
へえ、と思っていただきたい豆知識をひとつ。単元未満株でも、1株でも保有していれば配当は株数に応じてきちんと受け取れます。100株持つ人が1万円もらうなら、1株の人も100円もらえる。配当利回りは株数に関係なく平等なのです。だからS株は「配当を体感する練習台」として実によくできています。
記録を残す投資家が相場の下落局面で折れにくいのは、含み損という一時的な波よりも、積み上げた株数と予定配当という「実績の航海日誌」を見返せるからだと私は考えています。
記録は誰のためのものか
こうした月末棚卸しは、他人に見せるためというより、未来の自分への引き継ぎ書です。3年後に読み返したとき、「あのとき淡々と買い続けた自分」が何を考えていたかがわかる。相場が荒れた月ほど、その記録は羅針盤として機能します。
もちろん、これは特定の銘柄や手法を勧めるものではありません。ただ、値動きの速報に振り回されがちな今の相場だからこそ、月に一度立ち止まって自分の保有を棚卸しする習慣には、静かな価値があると感じています。
出典:note(マネー)「26年7月第1週(今週のS株投資と一言・6月末時点の金融資産と年間予定配当金・6月末時点の保有銘柄と株数)」 https://news.google.com/rss/articles/CBMiWEFVX3lxTE10RVFLUFo2QS1KcXFSNXFUMUlCblh6Q0ZOS2g3MVBKYWhoWjA2SFdOZjZwcmRSX21pd1NOTXBVMkg4VUE4VFRlTDNfdEJPeFdiaXdza2loeVY